日々の業務で忙しい研究者にとって、膨大な量の論文の中から必要な情報を見つけ出すことは、大きな負担となっています。
Connected Papersは、そんな悩みを解決してくれる革新的なツールです。
本記事では、Connected Papersの概要から使い方、活用方法までをわかりやすく解説し、論文検索を効率化するためのヒントを提供します。
Connected Papersとは?
Connected Papersは、論文間の関係性を視覚的に表示するツールです。
多数の論文を分析し、原文と関連性の高い論文を選び出すことで、論文間の関係性を明らかにします。
キーワードやDOI(デジタルオブジェクト識別子)で論文を検索すると、その論文と関連性の高い論文がネットワーク状に表示されます。
論文同士のつながりがグラフで可視化されるため、関連研究を俯瞰的に把握し、新たな発見に繋げることが可能になります。
Connected Papersでできること
Connected Papersでは、以下のことができます。
Connected Papersの使い方(初心者向け)

Connected Papersの基本的な使い方をステップごとに解説します。
- Connected Papersのウェブサイトにアクセスします。(https://www.connectedpapers.com/)
- 検索窓にキーワードまたはDOIを入力し、検索ボタンをクリックします。
- 検索結果が表示されたら、中心となる論文をクリックします。
- 中心となる論文と関連性の高い論文がネットワーク状に表示されます。
- グラフ上の各ノード(円)は論文を表し、ノード間の線は論文間の引用関係を表します。ノードの大きさは引用回数を表し、色が濃いほど最近の論文です。
- ノードをクリックすると、論文のタイトル、著者、出版年などの情報が表示されます。
- グラフのレイアウトや表示する論文を調整することで、見やすい論文マップを作成できます。

論文検索の方法
Connected Papersでは、以下の方法で論文を検索できます。
- キーワード検索:論文のタイトル、アブストラクト、キーワードに含まれる単語で検索します。
- DOI・URL検索:論文のDOIまたはURLを入力して検索します。
- 著者名検索:論文の著者名を入力して検索します。
Connected Papersの視覚化ツールの使い方法
Connected Papersの視覚化機能は、研究者にとって直感的で効率的なツールです。その詳細な使い方を以下に示します。
ネットワーク図のナビゲート
図をドラッグして移動、またはズームイン・ズームアウトで詳細を確認できます。
関連する論文の全体像を把握できます。
これにより、重要な研究のつながりを視覚的に理解できます。
ノードの詳細情報を確認
ノードをクリックすると、その論文の著者、出版年、引用数などの情報が表示されます。
また、リンクをクリックして原文にアクセスすることも可能です。
原文へのアクセスにより、研究の詳細や実験方法を確認できます。
特定のテーマにフォーカス
特定のサブテーマやキーワードでフィルタリングすることで、必要な情報を迅速に取得できます。
たとえば、「Gastric cancer」に関する論文で「chemotherapy」に言及している論文の関連性を絞り込むことが可能です。

エクスポート機能の活用

「More」というところの「Download」をクリックすると、論文リストをエクスポート可能です。
ただし、bib.という拡張子になりますので、EndnoteやZoteroなどの文献管理ソフトで開く必要があります。
また、「Share graph」でリンクを共有できるので、チームメンバーと情報を共有する際にも便利です。
Connected Papersの活用事例
Connected Papersは、以下のような場面で活用できます。
Connected Papersのメリット・デメリット
メリット
- 論文間の関係性を視覚的に把握できる
- 関連する論文を効率的に発見できる
- 研究分野のトレンドを把握できる
- 論文マップの作成が容易
- 研究分野の進化を視覚的に捉えることができる
デメリット
- 無料版では月に5個までしかネットワーク図ができない。
- 分野によっては、関連論文の網羅性が低い場合がある。
Connected Papersの料金体系
Connected Papersは、無料版と有料版があります。
無料版では、ネットワーク図を作成できる回数が付きに5個までという制限があります。有料版は、年払いの支払いの場合は月々740円ほどになりますが、ネットワーク図を無制限に作成することが可能です。
Connected Papersに関するFAQ
Q. Connected Papersは日本語に対応していますか?
A. はい、Connected Papersは日本語の論文にも対応しています。ただし、日本語の論文が少ない分野では、関連論文が表示されない場合があります。
Q. Connected Papersは無料で利用できますか?
A. はい、Connected Papersは無料で利用できます。ただし、無料版では、毎月作成できるネットワーク図が5つまでという制限があります。
Q. Connected Papersで作成した論文マップは商用利用できますか?
A. 商用利用については、Connected Papersの利用規約をご確認ください。
まとめ

Connected Papersは、論文間の関係性を視覚的に表示することで、論文検索を効率化し、新たな発見を促進するツールです。
論文の関連性を分析し、研究分野のトレンドを把握することで、より深い理解を得ることができ、研究の質向上に役立ちます。
無料版でも十分に活用できますので、ぜひ一度お試しください。自身の研究に役立て、新たな発見に繋げていきましょう。